sitateru tech blog: マイオペレーター

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シタテルの技術やエンジニアの取り組みを紹介するテックブログです。

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2019年3月4日月曜日

Good Project Award 2019で最優秀賞をいただきました!

3月 04, 2019

こんにちは!シタテル株式会社UI/UXデザイナーの田仲です。
私が担当しているマイオペレーター(以下、マイオペ)という縫製工場の生産管理者向けのシステムが、「JBUG(ジェイバグ:Japan Backlog User Group)」が開催する『Backlog World 2019』内の『Good Project Award 2019』にて最優秀賞を獲得いたしました。

『Backlog World 2019』とは

株式会社ヌーラボの日本最大級のプロジェクト管理ツール”Backlog(バックログ)”のユーザーコミュニティである”JBUG(ジェイバグ)”が主催した、プロジェクト管理に関わる全ての方のための祭典です。
Backlog Worldとして2回目の今年は、「プロジェクトマネジメント×働き方改革」というテーマで、 数々のセッションやワークショップ、情報共有の場、Good Project Award(表彰イベント)などでプロジェクト管理に関する知見を相互に高め合うことを目的としています。
2019年1月26日(土)、秋葉原UDXにて開催されました。
https://backlogworld2019.jbug.info/

『Good Project Award 2019』とは

2018年〜2019年に活動したプロジェクトの課題やそれに対するアクション、その結果得られたことのストーリーを通し、プロジェクトマネジメントのヒントが共有されることを目指したアワードです。
Backlog Worldイベント内コンテンツとして「Good Project Award 2019」というピッチコンテストが開催され、来場者投票と審査員の審査により、最も素晴らしいものを表彰します。

『Good Project Award 2019』への応募経緯

アワードの存在を知ったCTOの和泉さんから「だしてみたら?」ともちかけてもらったのがきっかけです。
マイオペは2018年の頭から立ち上げ開始し、7月ごろにリリースをしました。Backlogは使用していなかったのですが、応募条件に利用有無は問われていなかった、応募することにしました。

『Good Project Award 2019』に登壇するまで

エントリーフォームより応募

2018年末頃に、プロジェクトの目的や結果、熱い想いを書きました。

ピッチコンテスト出場決定

2019年1月上旬に、アワード実行委員会より一次選考通過の連絡が届きました。

ピッチコンテスト当日

一次選考通過した他の4プロジェクトの方々と共に登壇しました。
マイオペからは、生産と開発の間をとりもつディレクションを担当している宇田川さんが発表しました。

審査員からのコメント

ソリューションについてはプロではないが工場の現場をよく知っている人が、関係者をどんどん巻き込んで共感をベースにプロジェクトを推進していたという点がユニーク。
さらに、もっとも重要だと感じたのは言語の共通化。プロジェクトはいろんな部署の人が入っているが言語の共通化は意外とスルーされているところも多いのではないか。工場もエンジニアもわかる言語の共通化やアイコンをつかうことで、年齢・カルチャー・価値観など異なる人を巻き込んでいる点が素晴らしい。最終的に、スムーズな導入に繋がったのは、細かい点まで配慮されたプロジェクトづくりがなされた結果ではないだろうか。

最後に

先日、プロダクト名が入った盾が届き、みんなで喜びました!

2018年12月6日木曜日

チームでのUI/UX改善のための取り組み「マイオペ触る会」のご紹介

12月 06, 2018

こんにちは!

シタテルでエンジニアをしている建山です。

主に工場向けのマイオペというシステムの開発を行っています。

シタテルでは、チームがプロダクトなどでわかれており、今担当しているマイオペチームでは、
デザイナー、エンジニアが一緒になって開発をしています。

その中で、「マイオペ触る会」というのを隔週で行っています。

その取組の目的や方法をご紹介します。

マイオペ触る会って

普段開発しているプロダクトを、開発しているメンバー全員でユーザーの気持ちになって操作する時間を設けています。

目的としては、以下のような感じです。

・ユーザーの目線に改めてなって自分たちが作っているものを使うことで、気づいてなかったユーザーの課題やUI/UXの問題を洗い出す
・ユーザー目線を忘れないようにする意識付け

方法として、それぞれ行いたい時に非同期でやろうとしたのですが、開発の忙しさに追われてやらないことがあったため、みんなで同じ時間に集まって行うようにしています。

マイオペチームは拠点がバラバラなため、触る会の際は、zoomを繋ぎっぱなしにして話しながら進めています。

以下のような、googleスプレッドシートを活用し、どういうストーリーで操作したかの簡単な説明、画面ごとの問題や気になったことを各自書いていきます。

終わった後はイシュー化

終わった後はgithubでイシュー化して、議論検討したり、ユーザーインタビューしてみたり、開発計画に組み込んで進めたりしていきます。

やっていてよかったこと

目的にも書いていますが、開発しながら毎日自分たちのつくっているものには触れ合っていますが、あらためて、ユーザーの気持ちになっと触る時間を設けると、また初心に帰ることができるし、新鮮な気持ちでユーザーの課題が見えることもあります。
また、触る会をきっかけに チーム全体でもユーザー目線で活発な議論が発生していると感じていてやっていてよかったと思う点ばかりです。

まとめ

今回は、チームで取り組んでいる「触る会」をご紹介しました。チームでは他にも、いろいろな取組をしていますので、また追々紹介したいと思います。
チームや状況に合わせて、引き続きいいやり方を模索しながら改善していきたいと思います!
優秀なUI/UXデザイナーがチームにいますので、きっと記事を書いてくれると思います。笑

2018年11月24日土曜日

オンライン衣服生産システム[第4回] - マイオペレーター

11月 24, 2018

縫製工場向けシステム - マイオペレーター

こんにちは!
シタテル株式会社CTOの和泉です。

シタテルのシステム紹介4回目。

第2回までにマイアトリエを使ってユーザーが衣服生産をリクエストし、SCSでコンシェルジ内容を管理することを紹介しました。

今回はついに、実際に衣服を作る縫製工場のための生産管理システム、マイオペレータについてご紹介します。

アイテムの生産管理

マイオペレーターはシタテルと取引をしていただいている縫製工場向けに無料で提供しています。一般的なウェブブラウザやスマートフォンで使えます。

下の図が、マイオペレータにログインした後のトップ画面です。

進行中の生産アイテムの一覧が表示されています。この一覧からそれぞれのアイテムの生産管理ページへと飛べます。
一件、アイテム生産ページを表示して内容を見てみましょう。

注目して欲しいのは左上のタブ、それとメッセージの表示画面です。マイアトリエやSCSと同じように、このマイオペレータでもアイテムの詳細な情報を閲覧しながら、コンシェルジュに簡単にメッセージを送信できます。
左上のタブは切り替えることで、アイテムの生産工程ごとの情報を表示されます。

この左上のタブの名前、見覚えがありませんか?
SCSでご紹介した"ボックス"について、皆さん覚えているでしょうか?

お気付きの通り、SCSのボックスとマイオペレータのタブは連動しています。

SCSで[概要〜見積もり]ボックスが作られれば、マイオペレータで[相談]タブが作成され、
SCSで[サンプル作成ボックス]が作られれば、マイオペレータでは[サンプル]タブが作成されます

このように連動して、SCSで入力された情報がマイオペレータで連携・表示されています。



スケジュールや発注仕様書、工賃など、衣服生産に必要な情報はこのタブを切り替えながら一通り確認できます。その他細かい部分はメッセージのやりとりで簡単にコンシェルジュに相談可能です。
随時この画面に情報が反映され、またサプライヤー側でも進捗を入力することで、アイテムの生産管理が行えます。

工場全体のスケジュール管理

1つずつのアイテムの生産管理画面に加えて、それらをまとめて管理するカレンダー機能も用意してあります。

カレンダーを使えば、全てのアイテムで予定されている期日についてカレンダー形式で表示して工場全体のスケジュールを見られます。

稼働状況通知機能

縫製工場には繁忙期と閑散期があります。突然依頼が入ってくることも珍しくありません。

画面から月ごとの稼働状況を選択すると、コンシェルジュにメッセージが送られます。直近の稼働状況を事前にここから連絡しておくだけで、シタテル側に繁閑を伝えることができます。簡単に受注相談を調整できます。

トーク

トーク機能ではアイテムを限定せずにスケジュールの調整やその他全体的な(雑な言い方をするなら”ざっくばらん”に、”どんなことでも”)やりとりを行うことが出来ます。システムの改善要求などをトークで教えてくださる工場もあり、とても助かっています。

まとめ

今回の記事でシタテルのシステム紹介は一旦終わりですが、シタテルではシステムの開発・改修を日々行なっています。

このシリーズ記事を書いている間にもSCSと外部ビジネスツールとの連携や工場向けのマイオペマガジンの実装がされました。これからも追加機能がどんどんリリースされます。

引き続き紹介していきますのでお楽しみに!

2018年11月9日金曜日

マイオペレーター開発のために「価値マップ」つくりました!

11月 09, 2018

こんにちは!シタテル株式会社UI/UXデザイナーの田仲です。
私はマイオペレーター(以下、マイオペ)という縫製工場の生産管理者向けのシステムを担当しています。マイオペでは人間中心デザインを取り入れることに挑戦しています。

マイオペの開発メンバーは熊本にエンジニア2名、東京にデザイナー1名と場所が別れているのですが、先月熊本で集まることができたのでいくつかワークショップを開催しました。

日頃より縫製工場の生産管理者に、感想などをヒアリングしたものがあったので、価値マップを作成しました。

『価値マップ』

①KAカード作成

インタビューで気になったユーザーの行動を「出来事」として抜き出し、出来事を元に「ユーザーの心の声」を出します。そして、「価値」を導き出していきます。ネガティブな意見(「〜ができていない」など)は、ポジティブな価値に変換して、「未充足」として取り扱います。

②KJ法(親和図法)

次に、KJ法でKAカードを分類していきます。話し合いながら関連していることや、ストーリーを線や矢印でつないでいきます。
image from ios 2

③調査からの気付き&現状、提案に向けた着眼点をまとめる

image from ios 3

データに基づいた分析ができずにいたので、今回はいいきっかけになったとおもいます。
使用したヒアリング結果は10分程度で軽く聞いたものだったこともありまだ内容としては薄いため、これからはもう少し踏み込んで計画に基づくインタビューを行い、再度価値を模索していきたいですね。
この価値マップ作成後、別の調査データと合わせて、新たなペルソナもつくりました。次回は、アイデア出し、コンセプト作成まで一通りやってみようと考えています。

参加したメンバーの感想

建山

とても思考の整理になったのと、チームで共通認識、課題に向かっている感じが強化された気がしてとてもやってよかったと思います。
ワークショップでしようするインタビュー等のインプット情報の質をもっと高くして、適切なタイミングで引き続き、実施してみたいと思いました。

木村

リリース後、1〜2, 3 と進んでいくにあたり、良いタイミングで仮説の整理が出来たと思います。今後プロダクトが成長していく上で、良いサイクルが生み出せるのではないかと感じています。

最後に

マイオペの開発チームではユーザー目線が根付くための取り組みや、「誰のためになぜ作るのか」という点を考える時間を大切にしています。 業務に追われてなかなかまとまった時間が取れないので、今回のようなワークショップで定期的に分析などをしていけたらと思います。

2018年11月3日土曜日

オンライン衣服生産システム[第1回]

11月 03, 2018

はじめに

こんにちは!
シタテル株式会社CTOの和泉です。

今年の4月にそれまで努めていた大学を離れてシタテルに正式にジョインしました。半年近くが過ぎ、いくつかのプロダクトリリースを行う中でお客様とお会いする機会も多くあったのですが、私達が内製でシステムを開発していることや、それを使ってどのように業務を行っているかというのは知られてない事に気が付きました。

ということで、4回の連載で「シタテルのシステム」についてご紹介します!

シタテルが開発しているシステムについて、コンセプトや構成、どのように使われているのかをお伝えします。ベールに包まれたシタテルの内側に興味を持っていただけたら嬉しいです。(そして衣服生産のご相談をいただけたら、、、← 欲)

シタテルとは

シタテルはオンラインで衣服の生産を行うためのプラットフォームサービスです。衣服を作りたいというユーザーの皆さんに対して様々なお手伝いをさせていただいています。また、そのために必要な縫製工場や生地会社、2次加工工場、パタンナー、デザイナーなど様々なサプライヤーと連携しています。

こう言うとシンプルなマッチングサービス(出会いの場を提供してあとはお任せする)のように捉えられることも多いのですが違います!

シタテル社内には上記サプライヤーとユーザーの間をつなぐコンシェルジュがいて、アパレルのプロの方が煩雑だと感じる部分ををお手伝いしたり、はじめて衣服生産に関わる方でも衣服生産の複雑な部分で挫折しないようにサポートしています。なので、マネージド(管理された)な衣服生産プラットフォームと言えるかもしれません。

ログイン

これはシタテルウェブページのトップ画面です。この画面を見ればもう「ここから登録してログインして、オンラインでシタテルとやりとりして衣服を作るんだ」という流れがばっちり想像出来ると思います。

いや、全然わからないですね。すみません。でも、この連載を読み終わる頃にはバッチリわかるはずですので、、、がんばります。

第1回目の本記事では、ログイン後の画面やそのさらに裏側で実際にどのようなシステムが動いているのか。シタテルの「オンラインで衣服生産」とはどこまでを本当にオンラインで行っているのか。その全体像をざっくりとご紹介します。第2回ではシタテル内部でコンシェルジュが扱うSCS(sitateru control system)、第3回ではユーザーがシタテルとのやり取りに使うマイアトリエを紹介します。最後の第4回では連携工場が使っているマイオペレーターについて紹介します。

シタテルで衣服生産する流れ

シタテルで衣服を生産する場面では、大きく分けて3人のキャラクターが登場します。

  • これから衣服を作りたいと思っているユーザー
  • ユーザーの要望をヒアリングして生産を管理するシタテルのコンシェルジュ
  • 実際の衣服製作に関わるサプライヤー(生地や資材を提供する会社も含みます)

ユーザーは、シタテルのコンシェルジュと、作りたい衣服についてやりとりを行います。具体的なイメージが固まると、コンシェルジュがサプライヤーと連携して生産を進めます。
基本的にユーザーとサプライヤーが直接コンタクトとることはなく、コンシェルジュが間に入って両者をサポートします。

登場人物

シタテルではこの3人のキャラクターにそれぞれ専用のシステムを用意しています。

  • ユーザー向けシステム「マイアトリエ」
  • コンシェルジュ向けシステム「SCS(sitateru control system)」
  • サプライヤー向けシステム「マイオペレーター」

この3システムを使って、ユーザーとの相談からサプライヤーへの発注・生産までをオンラインで行っています。それぞれのシステムについて第2回目から個別に紹介しますが、ここでもざっくりと説明します。

ユーザー向けシステム「マイアトリエ」

マイアトリエ

マイアトリエはユーザーが作りたいアイテムについてコンシェルジュと相談するためのシステムです。コンシェルジュとメッセージのやりとりを行いながら、製作状況の確認も行うことが出来ます。アパレルのプロであるブランドから、初めて衣服生産をする方まで全てのユーザーが利用します。

コンシェルジュ向けシステム「SCS(sitateru control system)」

SCS

SCSはコンシェルジュが行う製作進行の全てをサポートしています。ユーザーとのメッセージやファイルによるやり取り、その中でで決まった事項を社内、社外と共有するために整理して入力するための機能が備わっています。サプライヤーへの発注依頼もこのシステムの情報を用いて行います。

サプライヤー向けシステム「マイオペレータ」

マイオペレーター

マイオペレーターは主に縫製工場が使う生産管理システムです。衣服生産に必要な指示書やスケジュールについて一元管理し、発注から納品までサポートします。データはSCSと同期しています。今年の6月から400以上ある提携工場に順次導入し、7割程度の工場に使っていただいています。エクセルなどで管理をされていた工場も多くある中、使いやすく、他社の案件もこれで管理したいなどの声をいただいています。

シタテルのシステム設計思想

上に紹介した3システムは、それぞれが別々に開発されていますが、SCSを中心としてAPIで接続されています。入社してからシステムの設計思想を言語化していく中で私達が作るシステムは他のアパレルITベンダーと何が違うべきであるかを考えました。

生産の管理につかうシステムと言うと、たくさんの複雑な入力項目があって、コンピューターにあれこれ急かされて、というものを想像するシステム開発関係者の方も多いのではないでしょうか?下手をするとめちゃくちゃ横に長いエクセルシートのさらに使い勝手が悪くなったようなシステムになる場合も、、、(大学時代に使っていたものがまさしくそうでした)

シタテルでは「コミュニケーションを促進するためのデータ共有」「入力よりも出力」を重視してシステムの設計、開発を行っています。

世の中にはシステムがなくても電話と帳簿でビジネスができている場面は多くあります。コミュニケーションをとることがビジネスにおいて最重要であり、データをオンラインでやり取りすることは副次的であると、私は考えています。(コミュニケーションが最も大事で普遍的だからこそ、SlackやLINEのようなツールがビジネスの場で重宝されているのだと思います)

そのため、シタテルが開発するシステムでは、メッセージでのやりとりを重要視しています。コンシェルジュは基本的に、メッセージを用いてユーザーや工場とやりとりを行います。生産工程をパターンやテンプレートに当てはめて最適化するのでは無く、それぞれの案件に合わせてコミュニケーションによって解決する。そのコミュニケーションで伝えづらいものをデータという形でシステムが出力して共有する。それに最小限必要な入力項目を作成する。この順序でシステムの設計、開発を進めています。

シタテルは多くのユーザーやサプライヤーをつなぐビジネスを行っています。このようなビジネス形態はアパレルの業界では珍しいようです。そのため、1つの会社のオペレーションを極限まで効率化するためのシステムではなく、多くのプレイヤーが一緒に働きながらビジネスを進めていくシステムが必要であり、それを自らの手で作り上げています。

まとめ

シタテルがユーザーとの相談依頼からサプライヤーへの生産発注まで独自のオンラインシステムで行なっていることを紹介させていただきました。嘘偽りのない「オンラインでの衣服生産」だと思っていただけましたか?

次回からはもっと具体的に、マイアトリエ、SCS、マイオペレータを、それぞれのシステムごとに紹介します。

お楽しみに!