sitateru tech blog: ティム・ブラウン

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2018年11月12日月曜日

[レポート] IDEO ティム・ブラウン × takram 田川欣哉 「デザインシンキングと未来」

11月 12, 2018

designthinking
Photo by Patrick Perkins with Unsplash

sitateruでサービス・プロダクトを担当している北爪です。

AXISの表紙を飾ってきた、その時代を代表するデザイナーを紹介するAXIS cover storyの発売を記念してAXIS Gallary行われた、ティム・ブラウン × 田川欣哉 「デザインシンキングと未来」「AXIS THE COVER STORIES ― 聞く・考える・話す、未来とデザイン」に参加してきたレポートです。

自身のキャリアと、プロダクトデザインからデザインシンキングへ

プロダクトデザイン

Tim Brownのイギリスでの生い立ち、プロダクトデザインへの興味と大学での学びから、IDEOへの参画へと話は進みました。初めてデザインした木工用の工具は今でも使われているそうです。プロダクトをデザインし,
それが仕事になるという経験を学生の頃にしてました。

人間中心設計の始まり

IDEOの認知科学リサーチャーを招き入れます。それにより、いかに人間のことをわかっていなかった、認知や思い込みがどう働くのかということを理解してなかったことがわかり、人間中心設計へと進むことになります。

インタラクションデザインの発見

当時出始めた、デジタルデバイスが使いにくく、ソフトウェア開発者にだけデザインをさせてはダメだと、リサーチャー、コンピューターサイエンス、グラフィックデザイナーを巻き込んで、ソフトウェアのデザインに取り組みます。それが、インタラクションデザインの発見に繋がります。

デザインの幅広い適応 デザインシンキングへ

1992年にSan Franciscoに移り、2000年にTom KelleyからCEOのバトンを受け取ります。最初、ビジネスに明るくない自身がIDEOの経営をするということに違和感があったが、デザインカンパニーのCEOはデザイナーじゃなければならないと気づき、ビジネスと組織をデザインすると自分の職を定義し、今日まで進めてきました。全てはデザインプロブレムとして解釈し、今はデザインがインパクトを与えるところに全部やっています。

そこからデザインシンキングという考え方へ発展します。これまで見てきたIDEOの考えるデザインはコラボレーションに根ざしています。多くの専門家を招き、多様なバックグラウンドを持つ者が一緒に仕事することで、複雑な問題を解決することができます。

デザイン教育を受けてなくても、方法論をシェアし人を引き込むことができる。プラットフォームとしてデザインシンキングは機能します。

デザインの矛盾

デザインの重要性を伝える難しさについて。
デザインのそれ自体には説得力がありません。ただ、その成果には説得力があります。
そこで、デザインプロセスに関係者を取り込むということをします。経験すれば、体験すれば、デザインの考え方が開いていくからです。

そして、デザインのインパクトを見せます。会議には必ずプロトタイプを持ち込みます。ストーリーテリング、映像あらゆるものを駆使します。実際の体験により目の解像度は大きく変わります。

複雑な社会に対してインパクトがあることを解く

これにはコミュニケーション、コラボレーションが必要です。そうじゃないと、複雑な問題は解けません。そのためには人の成功を助けたい人をIDEOでは採用するようにしています。

組織にコラボレーションの持続とインストールをするコツ

組織に、コラボレーションの持続とインストールをするコツについて。
オペレーティブな組織と繰り返し同じことをする組織とあります。一部にでもクリエイティブを入れることで、組織を変えていくことができます。例えば、普段プロセスごとに分けている組織をデザイナーのようにプロジェクトベースで仕事をするようにしてみるとかです。コンピュータ、AIはプロセスが得意です。人はプロジェクトで常にクリエイティブである必要があります。

デザインシンキングの限界

デザインシンキングはヒューリスティックな方法です。訓練の先にそのルールをを破れるときがきます。デザインシンキングは旅の途中と言えます。

デザインの未来

テクノロジーがあらゆる業界や産業に揺さぶりをかけます。そこで多くの人が新しい考え方に興味を持ちます。そしてデータが集まってきます。それをどうやって使うかが重要になる。モデリングし円環的にデータを回すようにする。これはプロダクトではなくてモデリングが必要になります。

感想

ヒューリスティックの限界の理解とその突破は、まずセオリーを試し、あわなければカスタムする。複雑な問題に対して、複数のプロフェッショナルが集まり、コラボレーションする場を作り、その組織もプロジェクトさえもそういう場であるということは、今のスタートアップや多くの企業、組織に求められるのではないかと思いました。